光の速さ、重力の強さ、電気の最小量――この宇宙には“理由は分からないのに決まっている数”がある。 しかも、ほんの少し違えば宇宙も生命も存在しなかった。その不思議をのぞいてみよう。
光の速さ、重力の強さ、電気の最小量…。これらは理論で計算して出てくるのではなく、 測って当てはめるしかない「自然界の設定値」。それが宇宙の定数だよ。
「ゲームでいう“最初から決まっているパラメータ”みたいなもの。 なぜその値なのかは、じつはまだ誰にも分からない。でも、ほんの少し違うだけで宇宙はガラッと変わるんだ。」
物理の法則(式)は、世界のふるまい方を教えてくれる。でも式の中に出てくる「光の速さ」や「重力の強さ」が いくつなのかは、式からは出てこない。実験で測って入れるしかない。この“測って決める数”が基本定数だ。
② おもな基本定数約 30万 km/秒。情報や光が出せる“最高速度”。時間と空間を結ぶ基準でもある。
重力の強さを決める数。とても小さく、重力が4つの力で最弱な理由のひとつ。
電気の最小単位。電子1個がもつ電気の量。これ以下の電気は(基本的に)存在しない。
電磁気力の強さを表す“単位のない数”。なぜ1/137なのか――物理最大級の謎のひとつ。
温度とエネルギーを結ぶ数。「熱さ」がミクロな粒子の運動エネルギーだと教えてくれる。
おどろくことに、これらの定数がほんの数%ずれるだけで、星も原子も生命も生まれない宇宙になってしまう、と考えられている。
陽子や原子核がうまく作れず、炭素や酸素ができない。生命の材料が存在しない。
化学結合や星の燃え方が変わり、安定した物質や太陽が成り立たなくなる。
この“ちょうど良すぎる”感じを、宇宙の微調整(ファインチューニング)問題と呼ぶ。
⑤ なぜ、この値なのか?深い理由はなく、ただの偶然という立場。ただ「きわどさ」を偶然で片づけるのは苦しい、という声も。
宇宙の定数は、「測れば分かるのに、なぜその値かは分からない」不思議な数たち。 しかもどれも、生命が生まれるのにちょうど良い。偶然か、選ばれた結果か、未知の理論のしわざか――物理の最前線の問いだよ。