まなぶ
まなぶ ・ 世界をつくる素粒子たち

量子図鑑

世界をつくる素粒子たちには、大きく分けて2つの“種族”がいる。 物質をつくるフェルミオンと、力を伝えるボソンだ。仲間ごとに整理して、ひとつずつ見てみよう。

フェルミオン
物質をつくる粒子
基本粒子

クォーク(6種類)

u
アップ
電荷 +2/3
d
ダウン
電荷 −1/3
c
チャーム
電荷 +2/3
s
ストレンジ
電荷 −1/3
t
トップ
電荷 +2/3
b
ボトム
電荷 −1/3

レプトン(6種類)

e
電子
電荷 −1
μ
ミュー粒子
電荷 −1
τ
タウ粒子
電荷 −1
νe
電子ニュートリノ
電荷 0
νμ
ミューニュートリノ
電荷 0
ντ
タウニュートリノ
電荷 0
複合粒子
p
陽子
u u d / +1
n
中性子
u d d / 0
π
中間子
クォーク+反クォーク
ボソン
力を伝える粒子
γ
光子
電磁力
g
グルーオン
強い力
W
Wボソン
弱い力
Z
Zボソン
弱い力
H
ヒッグス粒子
質量を与える
G
グラビトン
重力・仮説
力の担当表

粒子たちをつなぐ「4つの力」

ひとことで:宇宙のあらゆる現象は、たった4つの力で説明できる。

物がくっつく・光る・燃える・落ちる…どれも「強い力・電磁気力・弱い力・重力」のどれか。 力はボソン(力を伝える粒子)のやり取りで働くんだ(→ゲームで体験)。

ひとめ比較

4つの力 早わかり表

担当ボソン働く距離相対的な強さおもなはたらき
強い力グルーオン原子核サイズ1(最強)クォークを結び、原子核をまとめる
電磁気力光子無限約 1/137原子・化学結合・光・電気・磁石
弱い力W・Zボソンごく短距離約 10⁻⁶放射性崩壊、太陽の核融合のきっかけ
重力重力子(仮説)無限約 10⁻³⁹星・惑星・銀河など宇宙の大構造
ひとつずつ

図でわかる、4つの力

u u d グルーオンがクォークを結ぶ(陽子)

① 強い力

担当:グルーオン / 距離:原子核サイズ / 強さ:最強

クォークどうしを“のり”のように強く結びつけ、陽子・中性子をつくる。さらにその陽子・中性子を集めて 原子核をまとめる。いちばん強いけれど、とても短い距離でしか働かないのが特徴だ。

光子 γ + 光子をやり取りして引き合う

② 電磁気力

担当:光子 / 距離:無限 / 強さ:2番目

プラスとマイナスが引き合い、同じ符号は反発する力。原子の中で電子をつなぎとめ、 化学結合・光・電気・磁石を生む。身のまわりの現象のほとんどは、じつはこの力のしわざ。

n p e W⁻ ν̄ 中性子→陽子+電子+反ニュートリノ

③ 弱い力

担当:W・Zボソン / 距離:ごく短距離 / 強さ:弱い

粒子の種類そのものを変えてしまう力。中性子を陽子に変える放射性崩壊(β崩壊)を起こし、 太陽が燃える核融合の最初のひと押しにもなる。地味だけど、星と元素の運命を握っている。

質量が“時空”をゆがめる

④ 重力

担当:重力子(仮説)/ 距離:無限 / 強さ:最弱

質量をもつものすべてが引き合う力。1つ1つはとても弱いが、打ち消し合わず、遠くまで効いて足し算されるので、 惑星・星・銀河という宇宙の大構造をつくる。唯一、まだ量子論にうまく組み込めていない。

強さの桁ちがい

いちばん弱いのは、意外にも「重力」

強い力を1とすると、電磁気力は約 1/137、弱い力は約100万分の1、そして重力は 10⁻³⁹(0が38個!)。 日常では重力が主役に見えるけれど、素粒子の世界では桁ちがいに弱い。 それでも宇宙を形づくれるのは、重力が打ち消し合わず、どこまでも届いて積み重なるからなんだ。
統一への夢

4つを、1つにまとめられる?

じつは電磁気力と弱い力は、高エネルギーでは1つの「電弱力」だったと分かっている(電弱統一・実証済み)。 さらに強い力まで束ねる大統一理論、重力まで含める量子重力超弦理論など)は、 まだ完成していない最前線のテーマ。くわしくは理論ガイドへ。

強い力・電磁気力・弱い力・重力――この4つの力が、原子から銀河までを成り立たせている。 担当するのはボソンたち。そのボソンたちは、上で紹介したとおり。