「重さ」って何だろう? 「落ちる」ってどういうこと? 当たり前すぎる2つの正体をたどると、E=mc² と“時空のゆがみ”という、宇宙の見え方が変わる話にたどり着きます。
「重さ」と「引っぱる力」は、当たり前すぎて説明しにくい。でもその正体をたどると、 E=mc²や時空の曲がりという、世界の見え方が変わる話にたどり着くよ。
同じ力で押しても、重いものほど動きにくい。この“動かしにくさ”の度合いが質量。
質量があるものは、まわりに重力を生み、また重力に引かれる。その“引かれやすさ”も質量。
ふしぎなことに、この2つの質量はつねにピッタリ一致する。これが後の④の話につながる。
② 質量の正体はエネルギーアインシュタインは「質量とエネルギーは姿を変えただけの同じもの」と見抜いた。これが有名な E=mc²。 つまりエネルギーをもつものには質量があり、質量はエネルギーに変えられる(太陽が燃えるのもこの原理)。
「すべての物は、たがいに引き合う」。重力を“離れていても働く力”として、みごとに計算できた。
「重力は力ではなく、質量が時空をゆがめた結果」。へこんだトランポリンに球を転がすと曲がるように、 天体は“まっすぐ進んでいるのに”曲げられる。
エレベーターで上昇すると、体が重く感じる。逆に自由落下中は“無重力”になる。 じつは重力を受けることと、加速することは、中にいる人には区別できない。 これが等価原理で、「慣性質量=重力質量」がいつも一致する理由でもある。アインシュタインはここから一般相対論を作り上げた。
⑤ 最弱なのに、宇宙の主役電磁気力などは「力を伝える粒子(ボソン)」でうまく量子化できた。けれど重力=時空そのもののゆがみを、 量子のルールでどう書くかはまだ誰も完成できていない。重力を伝える粒子グラビトンは未発見で、 その統一に挑むのが超弦理論やループ量子重力だ。 時空が量子もつれから生まれるという最前線にもつながっている。
質量はエネルギーのかたまり(E=mc²)、重力はその質量がつくる時空のゆがみ。 いちばん身近な「重さ」と「落ちる」が、じつは宇宙でいちばん深い謎(量子重力)の入り口なんだ。