宇宙の物質の大半は、光らない“見えない物質”。あるのは確実なのに、正体はまだ誰も知らない。証拠から候補まで、宇宙最大級のなぞをのぞいてみよう。
星や銀河の動きから「目に見える物質だけでは重力が足りない」と分かっている。 その足りない分を埋める何かがダークマター(暗黒物質)。あるのは確実なのに、正体はまだ謎なんだ。
銀河の外側の星は、見える星やガスの重力だけでは説明できないほど速く回転している。 まるで見えない重さが銀河を包んでいるよう。さらに、遠くの光が重力で曲がる重力レンズや、 宇宙全体の構造の育ち方も、ダークマターを入れないとうまく説明できない。複数の証拠が同じ方向を指している。
② どれくらいある?光らないが重力で引っぱる“見えない物質”。銀河をつなぎとめる骨組み。
宇宙の膨張を加速させる正体不明のエネルギー。ダークマターとは別物。
→ 宇宙の95%は、まだよく分かっていない。
③ 正体の候補知られている素粒子(標準模型)には、ダークマターにぴったりの粒子がいない。 そこでまだ見つかっていない新しい粒子が候補に挙がる。代表は、重くて弱くしか反応しないWIMPや、 とても軽いアクシオンなど。どれも「光(電磁気力)とほとんど関わらない」から見えない、と考えられている。
④ ダークエネルギーとの違い地下深くの実験装置、加速器、宇宙望遠鏡――さまざまな方法でダークマター粒子を直接とらえようと挑戦が続く。 まだ決定打はないけれど、見つかれば標準模型を超える物理への大きな扉になる。
ダークマターは、「あるのは確実、正体は未確定」という宇宙最大級のなぞ。 私たちが知っている素粒子では足りない――その先に、まだ見ぬ物理が広がっているんだ。