デシジョンツリーと期待値による意思決定
選択肢と未来のシナリオを整理し、合理的に意思決定するための2つの道具を整理した。
デシジョンツリーは、「どんな選択肢があり、その結果何が起こるか」を木構造で描く方法。判断ポイント(ノード)から条件で枝分かれ(ブランチ)し、最終結果(リーフ)に至る"未来の地図"だ。
期待値は、「同じ判断を何度も繰り返したときの平均的な結果」を測るものさしで、Σ(確率×収支)で計算する。たとえば成功70%で+100万円、失敗30%で−20万円なら、期待値は64万円。プラスなら長期的には有利な判断といえる。個別株投資でも、好決算60%で+40%・悪決算40%で−15%なら期待リターンは+18%、というように使える。
この2つを組み合わせると、シナリオを整理し、各シナリオに確率と収支を置き、期待値を出して判断できる。ただし本質は計算そのものではない。式は簡単で、難しいのは"確率と収支という入力値の精度をどう高めるか"。100%当てる必要はなく、他の人より少しだけ精度が高ければいい。
企業ではさらに、期待値だけでなく、最悪ケース・資金繰り・ブランド・人材・長期戦略との整合まで見て最終判断する。初年度赤字でも、将来の技術獲得や新規事業につながるなら投資する"リアルオプション"の視点も大切だ。AIは市場・財務・顧客データから成功確率や予測をリアルタイムに更新できるが、最終判断は人間が行う。デシジョンツリーが"未来の地図"なら、期待値は"価値のものさし"だ。